歯周病は、日本人が歯を失う原因の第1位であるこわい病気です
歯周病は歯ぐきの炎症からはじまり、少しずつ歯のまわりの組織や歯を支える顎の骨を溶かしてしまう病気です。この歯周病、実は日本の成人の8割が罹患している、もしくは予備軍であるといわれているほど蔓延しています。「高齢者がかかる病気」と思われているかもしれませんが、最近では10代や20代といった若年層の罹患率が高まっているという報告もあります。「自分は大丈夫」と思わず、ご自宅や歯科医院で正しいケアを行いましょう。
歯周病も虫歯と同様、早期発見・早期治療が大切です。歯ぐきの腫れや歯ぐきからの出血、きつい口臭などの症状がありましたら、お早めに鎌倉市常盤・笛田の歯医者「いずみ歯科医院」にご相談ください。
歯周病になりやすい生活習慣
歯周病はお口の中だけの病気と思われがちですが、生活習慣病のひとつと考えられています。次のような習慣がある方はとくに注意が必要です。
喫煙する | よく咬まない |
---|---|
![]() |
![]() |
タバコの煙に含まれるさまざま有害物質が、歯周病の発症や進行を助長します。あるデータによると、1日10本以上喫煙する方の歯周病リスクはそうでない方の5倍以上になるといわれています。 | お口の自浄作用がある唾液は咬むことによって分泌が促されますが、よく咬まずに食べる習慣があると分泌量が不足します。唾液減ると、歯周病を含む細菌が増殖しやすくなります。 |
間食が多い | ストレスをためやすい |
![]() |
![]() |
「ダラダラ食べ」や間食ばかりしていると、お口の中が汚れた時間が長くなります。細菌が活動しやすい環境をつくってしまわないように、お口の中が継続的に汚れている状態を改善しましょう。 | 歯周病を含むあらゆる感染症は、免疫力と大きな関連性があります。疲労やストレスがたまっていると全身の免疫力が低下するので、感染症にかかりやすくなったり悪化しやすくなったりします。 |
歯周病リスクチェック
歯周病は虫歯と同じく、初期の段階ではほとんど自覚症状がありません。そのため、気づかないうちに進行してしまっていることがほとんどです。もし次のような症状が見られる場合は、歯周病にかかっている可能性があります。□の部分にチェックマークを入れて、歯周病のリスクをセルフチェックしてみましょう。
- 歯ぐきが赤黒くなっている
- 歯ぐきが腫れている
- 歯磨きのときに出血することがある
- 冷たい物がしみる
- 歯がグラつく
- 歯と歯の間によく食べ物が挟まる
- 朝起きたとき、口の中がネバネバする
- 口臭がきつくなってきた
- 歯ぐきを押すと血や膿が出る
- 歯ぐきが下がり歯が伸びたように見える
- 硬い食べ物を咬むと痛い
歯周病の症状と治療法
歯周病は大きく、歯ぐきに腫れなどの症状が見られる「歯肉炎」と歯を支える周囲の組織や顎の骨にまで炎症が進んだ「歯周炎」とに分けられます。歯肉炎は「軽度の歯周病」といわれ、それ以降の歯周炎は進行段階に応じて「軽度歯周炎」「中等度歯周炎」「重度歯周炎」に分類されます。こちらでは、それぞれの症状とおもな治療方法についてご覧ください。実際は、お口の状態によっていくつかの処置や治療法を併用することがあります。
歯肉炎~軽度歯周炎
症状 | 処置・治療 | |
---|---|---|
歯磨き指導 | スケーリング | |
![]() |
![]() |
![]() |
歯ぐきに軽い炎症が起きはじめ、歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)が少し深くなります。歯磨きのときに出血することがありますが、痛みはありません。 | 毎日の歯磨きは歯周病の予防や治療の基本です。患者さまのお口の状態に合わせて、正しい歯磨き方法をアドバイスいたします。 | 専用の器具で、毎日のセルフケアでは落としきれない歯垢(プラーク)・歯石を丁寧に除去します。 |
中等度歯周炎
症状 | 処置・治療 | |
---|---|---|
ルートプレーニング | フラップ手術 | |
![]() |
![]() |
![]() |
歯周ポケットがより深くなり、炎症が歯を支える顎の骨まで達した状態です。歯ぐきの腫れや出血がひどくなり、歯が浮く感じや、口臭が気になり出します。 | スケーリングで落としきれなかった歯周ポケットの深い部分に付着する歯垢や歯石を専用器具で除去。仕上げに歯の表面をなめらかに整え、汚れの再付着を防ぎます。 | 局所麻酔後に歯肉を切開して歯根を露出させ、歯周ポケットの奥深くに付着する歯垢や歯石を取り除きます。感染した組織を丁寧に除去し、最後に歯肉を縫合します。 |
重度歯周炎
症状 | 処置・治療 | |
---|---|---|
GTR法 | エムドゲイン | |
![]() |
![]() |
![]() |
歯を支える顎の骨が半分以上溶かされた状態です。歯ぐきが下がり、歯がグラつき、膿が出て、痛みや口臭がさらに強くなります。さらに悪化してしまうと、歯が抜け落ちてしまいます。 | 破壊された歯周組織の再生を促す治療法のひとつです。歯肉を切開し、特殊な膜を挿入します。それにより歯周組織が再生するスペースを確保しながら再生を待ちます。 | これも歯周組織再生治療のひとつです。感染部位を除去したあと、歯周組織再生誘導剤を注入し、歯肉を縫合して歯周組織の再生を促します。 |